第29回表面科学セミナー 概要
| 野副尚一(アルバック・ファイ) |
材料・物質の3次元的な構造や組成分布などをミクロなスケールで解析することは,ナノ材料の特性評価のためにきわめて重要である。この総論では,本セミナーで紹介される各手法と概略と位置づけを述べ,材料開発研究に応用されている現状を概観する。 |
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森戸茂一(島根大) |
材質制御において組織の形態および結晶学的解析は物性を知る上で重要な役割をはたす。走査型電子顕微鏡/後方電子散乱図形解析法(SEM/EBSD)の登場により、形態と結晶学的情報を同時に2次元で得られるようになり、さらに近年、2次元の断面データから3次元に変換する技術が進歩し、加工,再結晶,変態組織といった複雑な組織を3次元で解析できるようになってきた。今回は、2次元組織解析で重要な測定法の一つであるSEM/EBSDの原理,実際の測定方法,データの使用法について述べ、逐次断面データを使った3次元可視化の方法と応用例について具体的に述べる。 |
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辻 俊宏(東北大) |
機能性材料の開発やデバイス構造の健全性評価ではナノスケールの空間分解能で材料の内部構造を映像化する技術が必要である。原子間力顕微鏡と試料の超音波加振を組み合わせた非破壊的接触弾性計測法は固い工業材料の評価を実現したが、試料形状に制約があり清浄性の確保も困難だった。超音波原子間力顕微鏡(UAFM)は探針の接触したカンチレバーを加振して共振振動を励起したわみバネを実効的に硬化させることで上述の問題を解決できる。本講演ではまずUAFMの原理と計測方法を述べる。そして科学的・工学的に重要な、強誘電体材料の分域および分域境界、マイクロデバイスの金属電極の表面下の剥離の評価への適用例を示す。 |
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宝野和博(物材機構) |
3次元アトムプローブ(3DAP)は導電性材料のナノ領域に存在する個々の原子の3次元分布を直視できる究極的な3次元トモグラフィー法である。しかしながら、試料として導電性材料の針が必要などの原理的制約のため、これまで多くの応用例が金属系材料に限定されていた。近年、3DAPにパルスレーザを用いて電界蒸発をアシストすることにより、3DAPでより半導体を含む広範な材料を信頼性良く分析することができることが実証され、レーザ補助3DAPが急速に普及しつつある。また近年の収束イオンビーム法(FIB)による針状試料作製法の飛躍的な進展により、従来困難であった、結晶粒界、表層組織、粉体、薄膜やデバイスなどの任意領域からの針状試料の作製が可能となってきた。本講演ではこのような最近の3DAPの進展を概観し、さまざまな材料のナノ組織解析、半導体薄膜解析の例を紹介する。 |
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奥 健夫(滋賀県立大) |
電子顕微鏡で得られる三次元高分解能像は、ナノ結晶を多方向から観察したデータをもとに、結晶内部の三次元ポテンシャル分布を把握し、原子の立体配列を突き止められる点に意義がある。実験的には、結晶による動力学的回折効果の排除、さまざまな方位からのデータが必要などの困難さがあるが、ミクロンサイズの大きな結晶が得られないさまざまな先端ナノ物質の三次元原子配列を調べるためのナノ構造解析法として、今後大きな威力を発揮していくと考えられる。 |
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装置メーカー |
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長谷川修司(東大) |
電子線ホログラフィは,アハロノフ・ボーム(AB)効果の実証実験に使われた手法として有名だが,産業応用としても有用な手法であり,微小デバイスの3次元的な磁気構造・電位分布を直接観測することができる。電子線ホログラフィは通常の電子顕微鏡と異なり,試料から透過・散乱された電子波の強度だけでなく,その位相分布も直接的に計測して観測することができる。その位相分布の等位相線を描くと,電場分布の等電位線,あるいは磁場分布の磁力線になる。そのことからミクロな領域での電場・磁場分布を定量的に可視化できる。磁気ディスクや塗布型磁気ディスクに使われる磁性粉末の磁気構造,半導体pn接合やMOSトランジスタでの電位分布や不純物分布などが電子線ホログラフィで調べられている。講義では,電子線ホログラフィの原理と応用を分かりやすく解説する。 |
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陣内浩司(京都工繊大) |
ナノメートルスケールの材料の(元素識別)3次元像の取得を可能とする「電子線トモグラフィー法」の原理と最新法、および、本手法の高分子ナノ構造への応用と3次元データの解析法などについて概説する。 |
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林 好一 (東北大) |
蛍光X線ホログラフィーは、原子程度の長さの波長であるX線の干渉を利用した原子分解能を有するホログラム測定技術の一つである。結晶等の試料にX線を照射した際に発生する蛍光X線の微弱な強度変調を測定することによりホログラムを記録することができる。また、このため、蛍光X線を発する特定の原子の周りの三次元原子像を再生可視化できることを特徴とする。本手法は、特に従来解析法では詳細を求められないドーパント周辺の原子配置やその原子のゆらぎなどの解析に威力を発揮する。講演では、原理や測定法に加え、いくつかの先端材料に対する応用を発表する。 |
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土`山 明(阪大) |
X線CTに放射光を用いることにより、高空間分解能な3次元像を得ることができるだけでなく、コントラストの定量的な取り扱いが可能となる。SPring-8に設置されたマイクロトモグラフィーシステムでは、X線拡大光学系を用いることにより100nmに近い空間分解能が経常的に得られるようになった。本講演では、X線の吸収を用いた標準的なCTだけでなく、位相差CTや高速CTなども紹介し、さらに3次元CT画像の可視化と解析法や時間発展(4次元CT)について、いくつかの応用例とともに述べる。 |
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大門 寛 (奈良先端大) |
原子の内殻からの光電子放出角度分布には、光電子が周りの原子によって散乱された干渉パターンが現れているために、放出原子の周りの3次元的な原子構造を解析することができる。この手法は「光電子回折」または「光電子ホログラフィー」と呼ばれて元素の種類ごとの構造解析法として活躍してきた。最近、円偏光励起での前方散乱ピークの円二色性シフトを用いた原子配列の立体写真(立体原子写真)法や、SPEAという新しいホログラフィー変換方法が開発され、3次元解析が容易になってきた。測定装置も、我々が用いてきた±60°に渡る「二次元表示型球面鏡分析器(DIANA)」の他にも新しい装置の開発が進んでいる。講演では、これらの新しい3次元構造解析の流れと最新の分析器について紹介する。 |
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装置メーカー |
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